ご妊娠おめでとうございます。ここでは、妊娠中の体の変化と生活の注意をまとめてみました。
わからないことがあったらいつでもMOMに相談してくださいね。
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妊娠すると生理が止まります。生理は排卵があって24時間以内に受精しなかった場合,生理として排出されます。排卵は基礎体温を測ることによってある程度予想が可能です。
また、卵子は24時間しか生きていませんが,精子は72時間は生きていられるので,排卵日をはさんで3日前後が受精可能な時期ということになります。
受精するとホルモンの働きで新たな排卵が無くなりますから生理が来なくなるわけです。まれに妊娠初期、微量な出血を見ることがありますが,これは、多くの例がホルモンの作用や妊娠に伴う身体変化から起こる場合で、胎児や妊娠の継続には影響の無いものです。出血すると,すぐ流産を心配するかもしれませんが、妊娠4週から8週以内の流産は多くが受精卵に何らかの異常があり卵割してゆかない(成長しない)場合が多く,治療不可能な流産となります。このような流産は以外と多く,妊娠した事も気づかないまま生理と思って終わってしまう事もよくあります。
妊娠したかどうかを知るには、生理の予定日から2週間以上経過しても生理が来ない場合、ファーマシーに尿をかけて妊娠を判定するキットが売られていますので,それを購入して簡単に自分で調べる事が出来ます。結果がプラスに出た場合、産婦人科を診られるウォークインクリニックかファミリードクターを受診し、継続的な検査,診察を受けてゆくことになります。担当医が決まったら,出産はその担当医が契約している病院(多くが担当医の所在地エリア内の総合病院)で行います。 医師ではなく、助産師でお産をしたい場合、助産師のアソシエーションにコンタクトをとり、予約を取ります。
助産師による出産は、家庭分娩、施設(病院)分娩を選ぶことができます。
日本で毎回行うような超音波の検査は,ここでは多くて3回,平均で1〜2回しか行いません。時期は担当医の判断によってまちまちですが、大体妊娠中期が多いようです。内診も問題がなければほとんどないか、あっても1〜2回が多いようです。初期は問診や血液検査(毎回ではない)のみで中期〜後期は子宮底の計測と心音の確認と尿検査くらいです。日本のような細かな診察,指導はあまりありません。
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妊娠を本人が確認するのは多くが6〜8週前後でしょう。この頃になると生理の遅れにも気がつきますし,市販の尿検査にも反応が出ます。妊娠初期に多くの妊婦さんが体験するのがつわり,と言われるものですが、これも早いと8週くらいから始まります。
英語ではSickness,Morning-sicknessといわれます。妊娠に伴う体内のホルモン分泌の変化から起こるとも、妊娠という異物の発生に伴う一時的な拒否反応ともいわれていますが,実の所はっきりとは確定されていません。多くの人が体験しますが、程度もまちまちで,まったく症状も身体変化も無い人もいます。つわりが起こってもほとんどが12週〜16週前後にはおさまりますから,あまり不安になったりしないように、上手に気分転換して過ごしましょう。主な症状としては、空腹時の吐き気,胸焼け、嘔吐、嗜好の変化、食欲不振などがあります。妊娠週数が20週未満の場合,赤ちゃんは母体に蓄積されている栄養分で成長しますから、食欲低下や栄養摂取不足等を心配する必要はありません。
1時的なものですから、食べたいものを食べ、水分を十分に取って過ごします。たくさん食べるよりも少量ずつ,日に数回に分けて取る方が吐きにくいでしょう。胃がカラだとよけいに気分が悪くなるので,いつも少し何か入っている様にします。 水分はたくさん取りますが,水を飲んでも吐く,という場合,やはり少しずつ取ります。紅茶に砂糖を入れて甘くしてシャーベット状に凍らせて少しずつ口に含むのも良いでしょう。(紅茶は吐き気止めに有効) 吐きやすい場合は水分を(何でも良い)凍らせて,少しずつ口に含んで吸収すると良いでしょう。赤ちゃんの栄養を考えて食べ物を取るのは20週以降でかまいません。この時期はとにかくリラックスして乗りきります。
普段より眠くなる人もいますが,家にこもって横になってばかりいてはだめ。適度に散歩をしたり,外食や友達と会ったり,と上手に気分転換してください。
妊娠をしたら疲れたな,と思うほどには動かない事。疲れるということは体の代謝バランスを崩しますし、血行を悪くし,筋肉の緊張や疲労を増強し、しいては胎児にも良い胎内環境を与える事が出来ません。疲れる,いらいらする、も胎児にも影響します。
気分を楽に,いつもよりちょっとだけのんびりペースで楽しく過ごす様にしましょうね。
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妊娠すると体はいろいろな変化をします。先月お話したつわりは90%以上の妊婦さんが体験する消化器系の変化ですが、他にもいろいろな変化が起こります。
妊娠すると体内の血液循環量が増えます。乳房内は母乳を作る下準備として、子宮,膣周辺は出産の為に血液循環量の増大とともに皮下脂肪も増え,筋肉が柔らかくなってゆきます。中期から後期には乳頭や膣周辺の着色もみられます。また,骨盤周辺の組織も柔らかくなり骨盤結合部分が伸びやすくなります。これらの変化は赤ちゃんが生まれるとき産道を柔らかく広がりやすくするためのものですが,中期から後期にかけ胎児が大きくなってくると、重量とバランスの崩れから過度の負担となって腰痛の原因になります。
後期には子宮が大きくなって内臓を圧迫しますので,肺や心臓を圧迫すると息切れや動悸が増え,腸を圧迫する事により便秘がちになったり、膀胱の圧迫から頻尿,尿漏れなども起こします。子宮は腹部の静脈を圧迫しますので下半身の血液循環が悪くなりやすく,そのため足の痙攣(こむらがえり)を起こしたり,静脈瘤を作ったりします。動悸,息切れがあまり激しい場合、心臓に負担が過度にかかっている場合がありますので、その場合は医者の診察が必要です。それ以外の症状は産後消失するのが普通で,特に心配は要りません。中期から後期は上記のような症状が出やすいので、姿勢を正しくし,(力をぬいて両肩を引くと自然に背が伸びる)、腰への不自然な加重を避け、適度な運動をし筋肉をほぐし,就寝時や休憩時は下半身を高くして下肢の血行を促進する事により予防,緩和できます。
また,ホルモン変化の影響から皮膚が過敏症になったり乾燥肌になったり、妊娠性掻痒症と言って体が痒くなる人もいます。
その場合,皮膚に冷水でパッティングしたり,保湿クリームや室内の温度,湿度や、衣類に注意したりして対処します。
また、髪の毛が抜けたり,口腔内が酸性になる事から虫歯になりやすかったりします。妊娠性歯肉炎といって歯茎が腫れて出血しやすくなります。歯磨きはこまめにしっかり磨いて出血は気にしないように。(歯肉にうっ血した血は出してしまった方が良い)
少ない例ですが,眼球の形が変化してコンタクトレンズがあわなくなることもあります。その場合,めがねに替えてください。
後期は水分代謝が悪くなるので,からだがむくみやすいので,指輪ははずした方が良いでしょう。
妊娠期間はわずか数ヶ月ですが,この短い間に体はこれほどの大きな変化を起こします。妊娠は病気ではない、という考えから周りの人達は妊婦の訴えを甘く受け止めやすいのですが,これら症状はどれひとつとっても,妊娠でなければ病気として扱われる症状です。それらが幾つも重なって経験する妊婦の精神的,身体的負担は相当なものなのです。周囲の人達の,特に夫や家族の深い理解と協力,サポートが大切です。
☆ おまけコーナー 日本からおくってもらうと便利なものは? ☆
日本の雑誌によく紹介されているようなものはほとんど不要です。
日本にあってここでは入手しにくいもので便利なものをお教えしましょう。
1.ベビー用,綿棒
先が細く,綿の巻きがしっかりしていて安全で使いやすい。カナダのものは太すぎて赤ちゃんの鼻や耳の掃除に不便,巻きも弱いのであぶないことも。100本入りが1〜2個あれば十分でしょう。
2.ベビー用つめきりばさみ
カナダにもあるが,先が丸くなっていてそっているものが指を傷つけにくく使いやすい。ベビー用のクリップタイプの爪切りは新生児には大きすぎて使いにくい。
3.授乳用ブラジャー
カナダにもあるがサイズがあわない、わかりにくい人には日本で選ぶと良いでしょう。産後1ヶ月以内は乳房が急激に発達し炎症をおこしやすいのでワイヤーの入っていないやわらかな締め付けな
いものを使用してください。
4.産後用ウエストニッパー
カナダでは見かけません。産後のたるんだおなかを適度にしめてやると腹部の筋肉の回復を早め,授乳などによる不自然な姿勢からの腰痛を緩和してくれます。
また,帝王切開の場合,術後おなかの傷はそのままで退院しますので軽く押さえることにより、腹圧を分散し痛みを和らげ,傷を保護し,血行を促進させ回復を促します。
5.離乳食用ドライフード
北米の商品とは比べ物にならないほど便利で種類が多く,味も美味しい(大人の舌にも十分なほど!)のが日本のベビーフードです。
特に粉末状のスープ、野菜や肉のマッシュ,ジュース、麦茶、などは1回分が少量ずつ小袋に入っていて保存が長期間きき,少量なので初期から使用でき,また,もどし方によってスープ,ソース
,ふりかけ,ペースト,など材料としても応用が多彩です。ベビーフードは手抜きの様にも思えるかもしれませんが,実は薄味で添加物も入っていないので赤ちゃんには適しています。
6.沐浴用のガーゼのタオル,ハンカチなど。
ガーゼは薄くて丈夫,肌触りも良いので赤ちゃんにぴったりです。
ガーゼのタオルは入浴時赤ちゃんの体をくるんでやると赤ちゃんは怖がりませんし,ハンカチは体をあらうのや口をふくにも最適です。
マタニティライフ C 
体重管理、というとドキッとする方も多いのではないでしょうか?
日本では妊娠中、最も厳しく指導されるのがこの体重管理です。なぜカナダでは厳しくないのでしょうか?
これは医療事情の違いにもよると思われますが、ここでは、何らかの異常があって初めて医療側が対処する、という形がもっとも大きな要因でしょう。何も無ければ良い、というのは確かにそうですが、予防医療に十分な時間や場所をさく余裕が無いのもひとつでしょう。医者も気にしないのになぜ?と思われるかもしれませんが、妊娠にとって体重超過はあらゆるトラブルの元なのです。
体重が増えすぎると体を動かすのが辛くなり、下肢や腰,、内臓にも過度の負担を与えます。また心臓への負担もかかり、息苦しくなったり、貧血をおこしやすくなったり、足の疲れ、痙攣、静脈瘤、肉われなども起こします。体内の代謝も悪くなり、腎臓に負担がかかったり、糖代謝が悪くなると腎炎や妊娠性糖尿病になったりも。また、これらの症状は妊娠中毒症にも転化しやすいのです。血圧の上昇から血管障害も危惧されますし、胎児にも影響を与えます。赤ちゃんが大きくなりすぎたり,逆に成長が悪くなったりの弊害も招きます。病的な変化は無くても,つきすぎた脂肪は内臓にもつき、赤ちゃんの通り道(産道)の中にも脂肪がついて、赤ちゃんが降りにくくなってしまいます。
その結果,分娩に時間がかかったり、場合によっては帝王切開になる事もあるのです。もちろん太りすぎはお母さんの美容の敵でもあるでしょう。
産後,体重を戻すのも大変になります。
ここまで書くと,体重管理がいかに重要かわかっていただけるかと思います。では,どのくらい増えれば良いでしょう。妊娠前が肥満気味の人で出産までに増えて良いのが約6〜8kg、標準体重の人で9kg前後、痩せ型の人で9〜12kgが目安です。どんなに太っても15kg以下で押さえましょう。
つわりなどで体重が減った場合,減った体重から考えて良いでしょう。
赤ちゃんの重さ、血液の増大量、必要な脂肪の増加などを含めて6〜8kgが妊娠に伴う生理的増加です。これ以上は不要な脂肪,ということになります。1ヶ月に1〜1.5kgの増加でコントロールしましょう。いきなり3kg〜などの急激な増え方は体に負担をかけますから注意してください。
バランスの取れた食事をとり,脂肪や糖分の強い間食は避け、散歩や軽いストレッチなどをして過ごしましょう。
日本人は欧米人に比べ体が小さいので,おなかも大きく見えなくて,医者からもっと太りなさい,とか言われる事が多いのですが気にする必要はありません。また,見た目で判断して赤ちゃんがちゃんと育っているか心配され検査を進められることもありますが,これも今までの例からも95%以上問題ありません。見た目が小さくても中でしっかり大きくなっていますから、おなかの見た目や形にはこだわらないようにしましょう。
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妊娠中の栄養にはどのような事に気をつけたら良いでしょうか?
どんな食品を何種類,1日何グラム取りましょう,というのは簡単ですが,以外と出来ないものです.きちんと決めると取れなかったときに余計に心配してしまったりする事にもなるでしょう.そんなに難しく考えなくてかまいません。
妊娠初期の赤ちゃんは母体にある基本的な栄養素で十分ですから,特につわりなどある場合,水分をこまめに取る事と食べたいもの,食べられるものを少しずつ取るといいでしょう。かといって糖分や脂肪分の多いものばかり取ると体重を一気に増やすこともなりますから気をつけて。体重はカナダではあまり注意されませんが,いろいろなトラブルの元になりますから,1ヶ月に1〜2kg以上は増えない様に,全妊娠期間中で理想が9Kg前後,最大15kgは越えないようにしましょう。
妊娠20週を超えると赤ちゃんは胎盤を通して母体からたっぷりと血液循環を受けます.この血液から栄養をたっぷりと取りぐんぐんと成長を始めます.
このあたりからはバランスや量を考えて食事したいですね.まず,1日3食をきちんと取りましょう.胃が圧迫されてたくさん食べられないときは少量ずつ数回に分けて取りましょう.食事の内容は,葉野菜,根菜類、肉や魚,豆類の蛋白源、エネルギーになるご飯やパン,麺類などを1日の食事に取り入れてください.量は赤ちゃんの分と2倍,なんて取らないで.
昔は栄養が偏っていたり,摂取量が低かったためその様に言われましたが,今は十分な栄養を取っています.普段と変わらないか,少しだけ蛋白源や豆類,野菜類を多めに取るくらいで十分です.普段,よほど小食で痩せ型の人でない限り,普段の量の1.2倍くらいで十分としてください.間食はとってもかまいませんが、お菓子や果物、ファストフードの取りすぎは過剰カロリーになるので要注意.根菜類の煮物,シチュー,オニギリ,温野菜のサラダなども間食としておすすめです。便秘がちの人は繊維の多いいも類や野菜,プル−ンなどを取ってください.朝1杯のオレンジジュースも効果があります.貧血気味の方はほうれん草,納豆,赤みの肉や魚,シーフード,レバー(好きな人なら) 海草,ひじき、を試してください.ひじきは炊き込みご飯にしても美味しいし,ほうれん草はお浸しでたっぷり取れます.カルシウムは乳製品に多いですが,牛乳嫌いな人はシチューやホワイトソース,ヨーグルト、魚などでもOK.ゴマも栄養素の優れている食品なのでふりかけや和え物,ソースなどに加えて使ってみてください.妊娠期間中、水分は十分に取ってください.
でもジュース類で水分を取っていると,糖分も取りすぎて太りますから気をつけて.
欧米ではいろいろな栄養素の錠剤やカプセルがたくさんありますが,これらはあくまでも食事の不足の補助として用いて,けっしてそれだけに頼らない事.これらを主体に取っていると体が食事から栄養を取り入れる能力を落としてしまいます.必ず食事をきちんと取って,どうしても足らないかな?と思うものを補う程度にしてください.
赤ちゃんが生まれたら,ゆっくり食事をするのもたいへん。出産前にご主人とデートして美味しい食事をとるのも素敵ですよ.
☆ おまけコーナー 注意したい食材 ☆
「妊婦が寿司や刺身を避けた方が無難だ」というのには理由があります。
生の魚はリステリア(listeria)という細菌に汚染されている可能性があり、リステリア症という病気を引き起こすことがあるからです。リステリアは普通の健康な人が発症することはあまりないのですが、妊婦は免疫力が弱くなっているので、妊娠していない人に比べ約20倍もリステリアにかかりやすくなると言われています。疫病管理予防センター(Centers
for Disease Control and Prevention)では全米で毎年約2,500人が重症のリステリア症にかかっていると報告しています。妊婦がリステリア症にかかってしまった場合、未熟児や胎児の死亡を引き起こしたり、無事に生まれても赤ちゃん自身がひどいリステリア症にかかっていたり、それにより赤ちゃんが死亡するといった結果を招く可能性があります。また、母親にリステリア症の症状が出ていなくても、胎盤を通して胎児に感染してしまうこともあります。このような理由から、妊婦は寿司や刺身を避けた方がよいと言われています。
日本では妊婦が寿司や刺身を食べてはいけないという指導はあまりなされていないようですが、これは、日本ではリステリアがほとんど見られないという理由からのようです。生の魚以外でリステリアが含まれている可能性があるものは以下の通りです。
次に北米では生の魚をあつかうことに慣れていない業者が多く、適切に扱われない場合があるためです。魚屋では温度や衛生管理をきちんとしているか、寿司屋では魚をきちんと衛生的に扱っているか、できる範囲で確認しましょう。また、鮭、タラなどの魚には寄生虫がいることがあります。超低温に冷凍すると虫は死ぬので、日本で寿司や刺身にする魚はそういった処理をしてあるのが普通ですが、こちらで手に入る魚はそうとは限りません。寄生虫が妊婦の体内に入ると、胎児に行くべき栄養分が寄生虫に取られてしまうことになります。
また汚染物質の問題があります。刺身や寿司に限らず、火を通したものでも同じですが、マグロ・カジキマグロ・サワラの類のように、他の魚を食べて長生きするような魚には有機水銀が含まれており、あまりたくさん食べると胎児の脳の発達に影響があることがわかっています。また、汚染がひどい地域の川魚は、PCB(ポリ塩化ビフェニル)などを多く含んでいることで知られています。こういった種類のものをたくさん食べると、汚染物質の濃度が高くなります。魚は大変良い蛋白源で、その脂肪分は肉より健康に良いため、妊婦さんにはぜひ食べてもらいたいものです。妊娠中は、できれば生の魚を避け、いろいろな種類の魚を適量ずつ食べるように心がけてください。
カナダで販売されている魚は、比較的安全な基準値内のものがおおいので、それほど神経質にならず、週に75gを2回くらいまでは魚をとってよいといわれています。
魚は優良なたんぱく質食品で、多くの栄養素に恵まれています。
特に、カルシウム、鉄、豊富なビタミン類、オメガ3脂肪酸@DHA(脳の成長をたすけ、細胞活性を促す)、AEPA(血中コレステロールを低下させる)、タウリン(新生児の脳の成長促進、網膜発達、視力回復など)などおとなはもちろん、成長著しい乳幼児、子供に大切な栄養素がたくさん含まれています。
しかし近年、水質汚染から魚に含まれるメチル水銀の問題、寄生虫などの注意も必要です。
そこで、ヘルスカナダでは、下記の魚の種類について、摂取制限ガイドをもうけていますので、参考にしてください。
下記の魚は水銀量が少なく、オメガ3が豊富です。摂取制限はありません。
anchovy(いわし), capelin(ししゃも), char(ます), hake(メルルーサ), herring(にしん), Atlantic mackerel(大西洋さば), mullet(マレット、ぼら), pollock (たら)( Boston bluefish), salmon(さけ), smelt(きゅうりうお), rainbow trout(にじます), lake whitefish(シロマス?), blue crab(ガザミ、ワタリガニ), shrimp(えび), clam(はまぐり、あさりなど), mussel(ムラサキガイ、イガイ) and oyster(カキ).
下記の魚は水銀量に注意の必要な魚ですから、摂取ガイドが設けられています。
fresh/frozen tuna(生、または冷凍まぐろ), shark(さめ), swordfish(メカジキ), marlin(カジキ類の総称), orange roughy(ヒウチダイ科の深海魚、白身の魚) and escolar(バラムツ、アブラソコムツ)
摂取基準
成人男性、女性(妊娠予定のない年齢以上) 週150g以下
成人女性(妊娠可能な年齢)、授乳中、妊娠中 月150g以下
5歳〜11歳 月125g以下
1〜4歳 月75g以下
缶入りのツナは基準が異なります。
Lightのほうが水銀量は少なめです。カナダで販売されているツナ缶のなかで、最も水銀量が高いのがcanned albacore tunaです。これを基準として摂取ガイドが設けられています。
摂取基準(1回量75g)
成人男性、女性(妊娠予定のない年齢以上) 制限なし
成人女性(妊娠可能な年齢)、授乳中、妊娠中 75g 週4回まで
5歳〜11歳 75g 週2回まで
1〜4歳 75g 週1回まで
ほかの魚介類の缶詰類、加工食品は特に基準対象になっていません。
マタニティライフ E 
妊娠初期から中期にかけてはさほどおなかも大きくはないので、気にならないと思いますが、中期後半から後期になるとおなかがググっと大きくせり出し、腰や下肢にかかる加重負担が大きくなり、姿勢も悪くなってきます。そうすると不快な腰痛や背部痛を引き起こします。これらはほとんどの妊婦さんが経験すること、でもそのままでは困りますよね。
そこで姿勢を正し、適度の運動をして少しでも症状を軽くしたり、予防したりしましょう。
まず姿勢ですが、あごを軽く引いて、両肩をすっと後ろに引いてみてください。胸を大きく広げる様に肩を引きます。こうすると背中が自然にすっと伸びて背筋がしゃんとするはずです。おなかには余分な力をかけず,腰にも負担をかけない姿勢です。この姿勢が基本です。いつも気がついたら両肩をすっと引いてください。正しい姿勢はおなかの圧迫をなくし赤ちゃんも楽ですし,腰痛や背部痛も緩和してくれます。また,こうして胸を左右に大きく広げる事で、胸郭を広くし、呼吸をスムーズにし、循環を良くします。呼吸循環が良くなると言う事は、体内の血液循環も良くする事,すなわち赤ちゃんにも、母乳のモトとなる乳房の血管の発達にもとても良いのです。この基本姿勢を元にして体操をしてみましょう。壁に両手をつけて背中はそらした姿勢で脚は前後に広げて、前に出したほうの足のひざを軽く曲げ、リズミカルに両腕を伸ばした状態で壁をぐっぐっと押します。
この体操は,ご主人と向かい合い両手をお互いに伸ばして手のひらをあわせあい、壁を押す様に押し合うのも同様の効果があり,背中や腰の痛みに有効です。
また,ご主人に背中をむけて、両腕を上に伸ばしその腕を上方にぐっと引き上げる様に引っ張ってもらうのも腰痛に良く効きます。引っ張ってくれる人がいなかったら,自分で腕を伸ばして、指を組んでぐっと体を伸ばしましょう。特に日常,オフィスワークをしている場合,休憩時間をこまめにとって姿勢を伸ばす様にしてください。
床にあぐらをかく様にして座り、肩を引いて背筋を伸ばしたら、ゆっくり腰を左右に回しましょう。両腕を胸の前に水平に交差させ,胸を大きく広げましょう。両腕を上に伸ばしたり,胸を広げたりする事で大胸筋を鍛え、乳房の下垂も防ぎます。
あぐらは太ももの筋肉を柔らかくし、脚を開きやすくします。これはお産のときにとても大切な事。出来る限りあぐらをかいて両膝を手で押す様にして、下半身をやわらかくしておきましょう。立ち仕事や歩行中にはお尻の運動もします。肛門をきゅっと締めるようにお尻のほっぺを両方寄せる様に力を入れます。リズミカルにきゅっきゅっと肛門を締める運動を一日50回くらいやってみてください。これは膣周辺の筋肉を柔らかくするとともに,産後の緩んだ膣周辺の筋肉をすみやかに回復させる効果がありますから産後も続けて行います。
妊娠後期に入ったら締め付けの強い下着はやめましょう。特に乳房の発達が著しいので,母乳育児をスムーズにするためにも,ワイヤー入りのぴったりしたブラジャーはやめましょう。スポーツブラやソフトブラ、エクササイズ用のトップスのようなものにかえてください。これは母乳が落ち着いてくるようになる産後1~3ヶ月くらいまで注意してください.
両肩を引いて姿勢を正しくするだけで,不快な腰痛や背部痛がかなり楽になります。いつも心がけてください。お風呂上りの暖まったからだをマッサージするのも良いですよ。
ヨガやエアロビクスなども体には良いですが、無理に特別に始める必要はありません。でも,一日一回は散歩をしてみてください。気分転換にもなりますし、冷たいきれいな空気は呼吸器にもとても良いです。ウォーキングは全身運動にぴったり、肩を引いて背を伸ばし,両腕を軽く振ってあごを引いて歩いてみましょう。一時間の散歩は適度な運動と精神的なリラックスを与え、体の血液循環を良くし,筋肉を柔らかくしお産を楽にする効果大!です。
マタニティライフ F 
今回は母乳育児の話です。
母乳は赤ちゃんにとって究極の栄養であり薬であり,はたまた母子の深い絆でもあります。
1歳過ぎの離乳期まで母乳ですめば経済的にも楽,手間もかからずとても便利ですが,どんな事情から混合やミルクのみになるかはわかりません。かりにミルクで育っても,抱っこして授乳してやるという1対1の母子タイムを大切にしていれば,何ら問題はありません。現代のミルクは母乳に近く,また,成分的にも優れていますから。でも,赤ちゃんが生まれた直後,母乳を作り始めて数日間の母乳にはミルクでは補えない特別の価値があります。それは,初乳と呼ばれる初期のとろりとして黄色い母乳に含まれているたくさんの免疫物質です。お母さんの体内から赤ちゃんに運ばれるこの免疫初乳で、生まれたばかりの体力のない赤ちゃんが,外界の雑菌から守られるのです。母乳が赤ちゃんのおなかを十分に満たせるように順調に出るには、早い人で2〜3日,普通1週間以上かかります。でもどんなに少なくても,この産後数日間の初乳は赤ちゃんにとって大切な薬ですから,しっかり吸わせてあげましょう。
母乳は赤ちゃんが吸う,という刺激で作られます。量が少なくても決してあきらめず2〜3時間おきに片方5分から数分吸わせてもう片方に交替しながら2往復,最高で30分くらいを吸わせます。母乳が十分でないと赤ちゃんは水分不足になりますから,母乳を吸わせたあと,ミルクや砂糖水を少し足してあげます。毎日時間おきに吸わせていれば、ほとんどの場合母乳はたくさん出てくる様になりますから,母乳だけで育児してゆけます。
母乳をたくさん出すために妊娠中から注意した方が良いことはなんでしょう。まず妊娠後期になると急激に乳房が発達してきます。発達過程の乳腺はとてもデリケートで傷みやすいので強い刺激を与えない様にワイヤーなどの入っていないソフトでゆったりしたブラジャーをつけましょう。胸を締め付けるような衣類はだめ。背中を伸ばし,胸筋をひろげましょう。腕を上に伸ばしたり左右に広げて胸を大きく広げる体操をしましょう。
妊娠後期に入ったら,まず乳首のお手入れを始めましょう。1日数分,乳首を指でつまむ様にして前につまみ出す様に引っ張ります。時折左右にねじる様にして引っ張ります。これは乳頭の乳口を開きやすくします。赤ちゃんの乳首を吸う力はとても強く、多くのお母さんが吸われ始めに乳首を痛めてしまいます。乳首を引き出す事は吸いやすい乳首を作る上でも大切ですが,乳首を強くする目的もあるのです。乳首を引っ張っていると乳首の先に白いカスのようなものが出てきますが、これは乳口に詰まった汚れですからタオルで軽くこすって洗い流してください。乳首が小さかったり引っ込みがちの人は,特に毎日乳首を引っ張り出す様にしてください。早い人で,出産前から水のようなものやお乳が出てくる人がいますが,その場合,無理に絞らず軽くぬぐうだけにしてください。乳首に刺激を与えているとおなかが張ってくることがあります。おなかが張ったらすぐにやめてくださいね。余談ですが,母乳を作るホルモンは同時に子宮を収縮させる働きもあります。そのため乳首の刺激からおなかが張ったりするのです。妊娠後期の性生活も乳房への過度な刺激に気をつけて、おなかが張りがちなときは控えましょう。
マタニティライフ G 
妊娠も36週に入ると、もういつ産まれてもOK,の状態になります。赤ちゃんは最後の1ヶ月でぐっと体に脂肪をつけて体重を増やします。このときお母さんのほうも太りやすいので気をつけて!むしろお母さんはもう体重は増えない方が良いのです。
赤ちゃんは36週から42週までに産まれるのを正期産といいます。この間はいつお産がはじまるかわかりませんから、遠出は避け、入院の準備を整えておきましょう。
赤ちゃんの衣類は新生児用は2〜3組で十分,あとは3〜6ヶ月用などの大き目を用意しましょう。新生児用はすぐに小さくなってしまいます。季節も考えて,室内はいつもちょうどよい温度なので、薄手の下着と上に着るもので十分です。夏なら1枚で,掛け物で調節できます。退院のときに新生児用カーシートが必要ですから〔これを確認しないと退院許可が下りません〕先に用意しておきましょう。あとのものは退院後で十分です。ベビーバスは特にあってもなくてもOK。使うのは生後1ヶ月くらいです。お友達から借りたり、似たサイズの収納用のコンテナでも十分です。コンテナボックスならあとで収納に使えて無駄になりません。ボトルやミルクは必要になった時点でどこでもすぐ買えますからあわてる必要はありません。ベビー用のシャンプーは不要です。ローションやオイル,パウダーもいりません。赤ちゃんの皮膚は敏感で薄くてかぶれやすいので,できる限りなにもつけないで,常に清潔で乾燥させた状態が好ましいのです。靴下は室内では不用です。外出時や、触ったときにひんやり冷たいときにはかせてください。帽子も室内では不要です。
枕も2才まではいりません。タオルをたたんだもので十分です。赤ちゃんの頭を枕で高くすると、まだ筋肉のしっかりしていない首に負担がかかります。
さあ、このぐらいの準備ができたら,あとはリラックスして赤ちゃんからの合図を待ちましょう。
お産の始まりはいろいろです。おしるしといっておりものに少し血が混じったものが出ることがあります。これは赤ちゃんの卵膜の一部がはがれたためで,出産が近い事をあらわします。でもおしるしがあってもすぐ始まるわけではなく,すぐの場合もあれば3日くらいしてから,という事もあります。出血量が増えてこない限りは清潔なパットをこまめにかえて普通に過ごしていてください。入浴も問題ありません。
出産前に不規則に陣痛〔おなかの張り〕がある事が多いのですが、これも練習のようなもの。本物の陣痛は必ず正確なリズムでやってきます。
陣痛が来る前に破水する場合もありますが、破水しても陣痛が来ないとお産にはなりません。ドクターに連絡だけいれて陣痛を待ちましょう。破水は尿と違って自分の意思で止めることができません。動いたり腹圧がかかるとちょろちょろと流れてきます。清潔なパットをあてて,リラックスしていましょう。シャワーは浴びてかまいません。破水しても赤ちゃんは大丈夫です。大体破水すると1日以内には陣痛が来る事が多いのですが,なかには2〜3日来ない事もあります。病院では24時間たっても陣痛が来ない場合,何らかの陣痛誘発の処置を行う場合が多い様です。さて本物の陣痛は,必ず時間が規則正しくやってきます。30分感覚で始まる人,15分や10分,いきなり5分と言う人もいます。おなかの張りが来たらまず時間を計ってください。陣痛の感覚や痛む時間が規則正しくなっていたらいよいよお産の本番です。7〜5分間隔になったらドクターに連絡し入院しましょう。
〔病院の混み具合によって3分間隔まで待てといわれる場合もあるのでご注意!〕
入院までは消化の良いものを食べて,ゆったりとリラックスして過ごしましょう。エネルギーを貯えておきましょう。破水していなければ入浴も体の筋肉をやわらかくしてくれます。お産には体力が重要な勝負のかぎです。あせらない、あわてないでしっかり向き合いましょうね。怖がらないで!!女性には赤ちゃんを生み出す力がちゃんと備わっています。自分が産み出すという自信をしっかり持って立ち向かってください。
マタニティライフ H 
お産が終わったら母体はゆっくりと出産前の状態に戻ります。早い反応をするのは子宮です。母乳を作るホルモンは妊娠中の8〜9ヶ月ごろにピークで産生されますが,このホルモンは同時に子宮を収縮させる強い働きがあります。しかし,子宮内に赤ちゃんがいる間は,胎盤がそのホルモンが作用するのを止めています。出産後,胎盤がはがれると同時に止められていたホルモンが働き出し,急激に乳腺を発達させ母乳を作り始めます。同時に空になった子宮を急速に収縮させ、もとの大きさに戻してゆきます。産後1週間以内が1番強い収縮を起こし子宮をまたたくまに骨盤内に収めてしまいます。このホルモンは赤ちゃんが乳首を吸うと産出されますから、産後数日は赤ちゃんにおっぱいをやるたび,子宮が強く収縮し,時に強い痛みとして感じます。おおくは3日ほどで楽になります。この収縮に伴う痛みは心配いりません。子宮が正常に回復していると考えてください。しかし,あまり強い痛みがあって辛いときは鎮痛剤を服用してかまいません。子宮は3〜4週間で完全にもとの大きさに戻ります。また,出産に伴ってできた子宮内,産道内,会陰周辺などの傷は約1ヵ月で直ります。妊娠にともないあらゆるホルモンのバランスがかわっていますが、それらのホルモンバランスが正常の状態に戻るには約6ヶ月かかります。すなわち,出産後1ヵ月経てば肉体的には正常に戻りますが,ホルモンの関係から約6ヵ月は完全な回復にかかると考えて,無理をせずゆったりと過ごす様にしてください。出産直後は出血も多く,また、母乳を作るためにからだの血液を多く必要としますから,体は貧血状態になっていますし,体力も大幅に低下しています。ところが赤ちゃんの世話に気持ちが強くいっているので,頭は興奮状態であまり疲れを感じません。そのためついつい休まず無理をしてしまいます。ときに2週間くらいたって疲れが出て,熱を出したり,体に弱い部分に炎症をおこしたりしてしまいます。お産の後はできる限り体を休め,赤ちゃんが眠っているときはいっしょに眠る様にして体力を回復させるように心がけてください。家族に十分な理解と協力が大切です。産後は血液を造るために,高たんぱく、十分なミネラル,ビタミンのある食事をとりましょう。
母乳が落ち着くには約1ヵ月かかりますから,その間は糖分や油分の取りすぎは避けてください。初期の母乳はグロブリンが多く含まれた母乳です。普通の母乳より濃くてとろっとしてます。糖分や油は母乳に多く入ってしまうと,余計べたべたした母乳になり,デリケートな乳腺を詰まらせ,傷めることになりますから注意してください。産後1週間くらいは母乳の量は少なくても普通です。少なくてももたくさんの免疫物質が含まれています。必ず2〜3時間おきに両方のおっぱいを赤ちゃんに含ませましょう。片方5分でスイッチし両方交互に吸わせて2往復,30分以内で終わりましょう。片方を長く吸わせると赤ちゃんは疲れてもう片方飲まずに終わってしまうことになります。最初の数分が1番強く吸う事ができます。両方を早いスイッチをしながらバランスよく吸わせることにより,母乳が左右ともよく出てくる様になります。授乳は3時間以上はあけない様にしてください。
産まれてすぐは赤ちゃんもお母さんも慣れていませんからいろいろとたいへんです。でも少しずつお互いに慣れて上手になっていきます。あせらない赤ちゃんと向き合ってくださいね。
生まれたら、「すくすく赤ちゃん」を読んでね!
